同意していないときの遠回し表現

日本人は、あまり同意していなくても、はっきり「それは違うと思います」と言わないことが多い気がします。

相手の意見を否定しないように、やんわり「同意していない」ことを伝える表現があります。これは日本語の遠回し表現で、日本語の建前の一つです。
日本人は同意していないときに「それは違う」「そうは思いません」とはっきり言うと、相手に冷たい印象を与えてしまうことがあるため、「そうかもしれませんね」など、やんわりとした言い方で返事をすることがあります。
はっきり言わない背景には、「相手の顔を立てたい」「場の空気を壊したくない」「ストレートな否定は強く聞こえるので避けたい」といった文化的な配慮もあり、遠回し表現には、相手への思いやりが隠れています。
日本語の「本音と建前」とは?
このページでは、日本人が日常生活でよく使う「同意していないときの遠回し表現」の意味・本音・使い方の違いを例文付きでわかりやすく紹介しています。
同意していないときの遠回し表現
これらは、日本語の会話によく出てくる「同意していないとき」の遠回し表現です。
・う~ん、そうですね~
・まあ、そうかもしれませんね
・そういう考えもありますね
・ちょっと違うかもしれません
・一応、そうですね
これらの表現には、「はっきり否定しない」➡「相手を傷つけない」➡相手への配慮が含まれています。
同じ言葉でも、「遠回しに同意していない」ときと「本当に同意している」ときがあります。声のトーン、表情、文の続き方で気持ちを読み取ることが大切です。
例文で学ぶ「同意していないとき」の遠回し表現|本音と建前
A:このデザイン、もう少し派手にしたほうがいいですよ。
B:う~ん、そうですね~。まあ、そうかもしれませんね。

まあ、そうかもしれない
本音:あまり同意していないが、意見をはっきり言いにくい。
▶「そうですね~」は同意しているように聞こえますが、語尾を伸ばしたり、声のトーンが低かったりする場合は、本音では同意していないことがあります。
▶「まあ、そうかもしれませんね」は相手の意見を否定せず、自分はそう思っていないことを控えめに示す表現です。
A:このデザイン、もう少し派手にしたほうがいですよ。
B:そうですね!私もその方が絶対にいいと思います!
「そうですね!」と明るく即答したあとに、前向きなコメントが続くのが特徴です。
【ポイント】
・返事が明るい
・即答
・前向きなコメントが続く
A:このデザイン、もう少し派手にしたほうがいいですよ。
B:なるほど、そういう考えもありますね。

そういう考えもあるね
本音:話を理解しただけで、同意はしていない。別の考えがあるが、否定はしたくない。
▶「なるほど」は理解を示す表現で、同意とは限りません。納得はしていませんが、場の空気を悪くしないように「そういう考えもありますね」と続けています。聞く人が聞くと「同意していない」とわかる表現です。
【似た表現】
「そういう見方もありますね」
「そういう考え方もありますね」
「一理ありますね」(部分的には同意、全体としては反対)
A:このデザインでいいですよね?
B:う~ん、ちょっとイメージと違うかもしれません。

ちょっと違うかも
本音:かなり違うと思っているが、ストレートに否定したくない。
▶「ちょっと」は否定をやわらげる代表的なクッション言葉です。
【似た表現】
「ちょっと違う気がします」
A:このデザインで進めますか。
B:一応、そうですね。でも、ここだけ見直してください。

一応、そうだね
本音:あまり賛成していない/完全には納得していない
▶「一応」を使うことで、やんわり同意のふりをしつつ、あまり賛成していないことを控えめに示す表現です。「でも」のあとで本音や具体的な意見を伝えています。
【似た表現】
「とりあえず、そうですね」
「まあ、そうですね」
「遠回し表現」を理解するコツ
上で紹介した表現は、すべてが建前とは限りません。会話全体のトーンや、補足の言葉(前向き・具体的な言葉)があるかどうかで、本音かどうかを判断できます。
・日本人は、「ストレートに反対する」よりも「やんわり伝える」ことを好みます。
・「ちょっと」「かも」などの言葉が出たら、遠回し表現かもしれません。
・声のトーンや、その後の一言で本音かどうか判断しましょう。

